11日~忘れまい、忘れさせまい~
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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8月には、日本人なら忘れてはならない、と言われている日があります。
8月6日、9日、そして15日。
それと同じに、決して忘れてはならない日のひとつが、あの3月11日ではないでしょうか。
あの日を忘れない。そんな決意に満ちた企画展示が東京・愛宕山のNHK 放送博物館で開催されています。
NHK の企画展示とはいえ、会場は本当にこじんまりとした一角。でも、そこには「あの日」と「あの日以降」の人々の姿がたくさん詰まっていました。
〈3月11日を伝える〉コーナーで、最初に目に飛び込んできたのは、仙台平野をなめるように飲み込んでいく黒い水。リアルタイムで見ていたはずなのに、こんなにも速く、広範囲だったのか、と改めて驚愕。続いて地震のデータ、各地の被害の映像・写真。これだけなら他の展示会と変わりませんが、そこはNHK 。当時の取材メモや報道メモ、NHKに寄せられた被災者の生々しい情報、生活情報安否情報が。そしてあの原発事故の展示と続きます。
〈震災を伝え続けるコーナー〉で、最初に出会ったのが、2011年12月31日、紅白歌合戦で、長渕剛さんが門脇小学校で歌う場面の台本。MCは櫻井翔さん。あの真っ黒に焼けただれた門脇小学校の様子が思い出されて、胸が詰まりました。そして、その対面には「花は咲く on Ice 」荒川静香さんと羽生結弦選手のポスターが。まるでいままでの痛みを癒すかのように優しく微笑む二人に、目頭が熱くなり………。ポスターの下の透明ケースにはガーベラの花束。薄ピンク2輪濃いピンク1輪。これは羽生選手の「花は咲く」の収録の際に、NHKが用意したものだとか。ガーベラを胸に抱いた、優しいけれど強い決意に満ちた羽生選手の笑顔が思い出されました。
このあとにも、6年のまちの移り変わりがわかる「定点映像」、なんとも胸に迫る「こころフォト」、最後に「いつか来る大災害にそなえる」放送訓練の様子で締め括られます。
この企画展示のなかで一番心に残ったのは、〈3月11日を伝える〉にあった「あの日のラジオ放送」実際に放送されたNHK 仙台放送局のアナウンスです。その夜のアナウンサーの方はこう伝えていました。
「………今夜は助け合いの夜です。助け合って、この真っ暗な一夜を過ごしましょう。
ともに助け合うというのは、こういうときのためにある言葉だと思います。
東北のみなさん、ここは助け合って、みんなで力を合わせて乗り切りましょう。
…………仙台の日の出は6時35分です。あと4時間ちょっとで、外は明るくなってきます。」
「あと4時間ちょっとで、外は明るくなってきます。」
真っ暗闇の厳寒、極限の状況のなか、なんとか人々を励まそうとしたアナウンサーの方の心の祈りのように感じました。「みんな、頑張ろう!もう少しがまんすれば、きっと太陽が昇るから!」と。
ささっと見れば、ものの15分もあれば見られてしまう会場―――その最初に掲げられた「ごあいさつ」の後半は次のように綴られていました。
「この特別展では、震災によって失われた大切な命と生活、深い悲しみから立ち上がろうとする人間の強さや葛藤。それら全てを報道の記録から紡いでゆきます。そして、6年前の『あの日』を思い起こし、あらためて記憶にとどめていただければ、と考えています。」
NHK の、「我々は日本の公共放送を担うものとして、あの日を決してわすれまい、忘れさせまい」という矜持が感じられた一言でした。
NHK放送博物館 特別展 「東日本大震災 伝え続けるために」
3階 企画展示室
2017年3月7日~9月10日
この夏休み、足を運んでみてはいかがでしょうか。
萩の花言葉は「思案」「想い」。
(画像:お花の写真集より)
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