アイスショーレポNo.9 ~ Fantasy on Ice 2017 in MAKUHARI ~
二年ぶりに羽生選手がアイスショーに帰ってきました!期待に胸を弾ませ、会場の幕張メッセがある海浜幕張駅南口に降り立つと、かわいい球団マスコットがお迎えしてくれました。ここはプロ野球ロッテ球団の本拠地でもあります。
駅から徒歩数分で幕張メッセが見えてきます。五月晴れの空の下、心地よい海風に吹かれてブラ歩き。気分は最高です。入場するとすでにグッズ売り場やP&Gの記念撮影ブースは熱気であふれかえっていました。
アイスショーは音楽と照明によって演技のイメージががらりと変わってしまうことがよくあります。幕張の照明はとても素敵でした。鈴木明子さんがラストのポーズに向かう時、丸いスポットライトに彼女の影が映し出されるんですが、まるで影も演技の一部みたいなんです。気持ちがぐーっと引き込まれます。羽生選手の演技直前には氷の柱のような光が現れ、ピアノの音色と素晴らしい演技に、まるで氷の国で演技を見てるような、魔法にかかったような気持ちになりました。スケートと音と光が作る夢のような世界、Fantasy on Ice 2017 in 幕張、いよいよ開演です。
先日BS朝日で放送がありましたが、あれはごく一部。実際の滑走順はこちらです。
~「FAOI幕張」滑走順~
-第1部-
1)オープニング郡舞 中西圭三(Choo Choo TRAIN)
※羽生選手は4T後にハイキック^^ キレッキレのダンスを披露。
2)紀平梨花<新EX シンフォニー(キャシー・リード振付)>
3)アンナ・ポゴリラヤ<アンナ・カレーニナ>
4)エアリアル(マリーピエール・ルレ)
5)織田信成<新FS トリスタンとイゾルデ>
6)ジョニー・ウィア&清塚信也<Baby, God Bless You ~TBSドラマ「コウノドリ」テーマ>
7)カロリーナ・コストナー&清塚信也<日々>
8)アクロバット(オレクシイ・ポーリシュク /ウラジミール・ベセディン)
9)宇野昌磨 <新SP ビバルディ四季より冬>
10)アンナ・カッペリーニ/ルカ・ラノッテ<チャップリンメドレー>
11)鈴木明子&中西圭三<Woman>
12)エラッジ・バルデ&中西圭三<(ブラックビスケットの)Timing>
13)安藤美姫<Let it be>
14)エフゲニー・プルシェンコ<東日本大震災に捧げる曲>
15)ハビエル・フェルナンデス<新SP チャップリンメドレー>
16)ステファン・ランビエール&清塚信也<戦場のメリークリスマス>
-第2部-
17)オープニング群舞 エラッジ・バルデ他&大黒摩季<熱くなれ~NHKアトランタオリンピックテーマソング>
18)織田信成&大黒摩季<あなただけ見つめてる>
19)本田真凛<新EX CLIME TALE>
20)ジョニー・ウィア<How It Ends>
21)鈴木明子<アメジスト YOSHIKI>
22)アクロバット(オレクシイ・ポーリシュク /ウラジミール・ベセディン)
23)ジェフリー・バトル<Better to be love>
24)安藤美姫&大黒摩季<夏が来る>
25)カペラノ&大黒摩季&中西圭三<Almost Paradise~映画フットルーステーマ>
26)アンナ・ポゴリラヤ&大黒摩季&清塚信也<The Rose>
27)ハビエル・フェルナンデスwith安藤美姫<パイレーツオブカリビアン>
28)ステファン・ランビエール<プリンス>
29)カロリーナ・コストナー<Ne me quitte pas>
30)エフゲニー・プルシェンコ<Sex Bomb>
31)羽生結弦<新SP バラード第1番、アンコールLet’s go crazy>
32)フィナーレ群舞 大黒摩季(ららら)
※羽生選手はイナバウアーからの3A^^ 楽公演はビシっと決めました。
ご覧のとおりスケーターとアーティストのコラボがずらり。このアイスショーは見どころ満載本当に豪華で、終了後は胸いっぱいお腹いっぱいな気分になりました。
放送されませんでしたが、プルシェンコさんは第1部で、東日本大震災に捧げる曲で演技を披露してくれました。祈る気持ちがこちらにも伝わるような素晴らしい演技でした。羽生選手もきっと舞台裏からその演技を見ていたことでしょう。2プロめは一度は見たかったSex Bomb。プル様のエンターテイナーぶりは天晴れとしかいいようがありませんね。本当に観客を楽しませてくれます。こちらの演技も羽生選手は見たかったようで、フィナーレの挨拶で「出番の関係で見れなかったのでTVで見ます!」と言っていました。
歌手の大黒摩季さんは、実は熱烈な隠れスケートファン。TVでミッシェル・クワン選手のスパイラルを見て、フィギュアスケートに魅了されてしまったのだとか。日ごろからGPSやファイナル、ワールドも全部録画してじっくり見ているそうです。ポゴリラヤ選手とのコラボでは、「ロシアの厳しい代表争いの中で頑張って世界ランキング2位まで上り詰めたポゴリラヤ選手」とエールで送りだしました。選手のバックボーンまでしっかり把握されていました。
そしてポゴリラヤ選手が滑ったThe Rose。長い手足を存分に使った大きな演技。繊細で感受性の強い彼女の思いがこもった滑りに、すぐさま胸がいっぱいに。知らず知らず涙があふれてきました。総スタオベ。演技が終わった後、センターで四方への深いお辞儀、さらにセンターから四方リンクサイドに近寄り、心を込めた丁寧なお辞儀。感極まり涙を浮かべるポゴリラヤ選手、観客、大黒さん・・・会場中が同じ感情に包まれた感動的な瞬間でした。
ピアニストの清塚信也さんはこのようなお話をされていました。『スケートとピアノは「余白」を残したアートである。僕たちはそれを観客に委ねる。「余白」を埋めるのは観客やコラボの相手。「余白」がそれぞれのピースで埋まっていくとき、感動が生まれる』まさにこのThe Roseは全てのピースが埋まった瞬間だったのかもしれません。
このショーでは早くもオリンピックシーズンに向けて新プログラムが披露されました。宇野選手はビバルディ冬。弦楽器の音色は宇野選手の滑りに似合います。特に後半のスピン2つは音の取り方が抜群で、プログラムの盛り上がる箇所になると確信しました。ハビエル選手はチャップリン。彼にしかできない唯一無二のチャップリンだと思いました。以前のものとは技の切れ味が全然違い表現の幅もグッとアップしています。
羽生選手が演じたのはショパン バラード第1番。何と来シーズンの新SP!!最初は驚きましたが、実際に見たら納得です。このプロなら彼の最高の演技ができると思いました。初日と2日めは最初の4ループでミスが出ましたが、楽公演では4ループをクリーンに決め何とノーミス。ジャッジがいたら世界最高点を出すに違いありません。2014年DOIでバラ1を初めて見たときは、繊細なイメージが強く残りましたが、この3度めのバラ1は儚さと力強さが複雑に組み合わさり、氷の世界で蠢く蒼い炎のように見えるのです。来シーズン試合で見れることが本当に待ち遠しいですね。幕張は幕を閉じましたが、次は神戸、新潟と公演はまだまだ続きます。今後もますます目が離せません。Fantasy on Ice 2017(Facebookより)(by mo)
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