11日~未来へ~
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
今回は、メンバーより投稿いただいた震災時の体験を紹介させていただきます。
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「超高層階にあるレストラン予約したよ!眺めバッチリだからね。」2011年3月11日14時46分。子どもが通う学校の友人ママ4人でランチを楽しんでいた、その時までは。
突然起こった激しい揺れ。古い超高層ビルの最上階は沈みかけた船のように大きく床が傾いた。もはや立っていることは不可能だった。すぐさまテーブル下に潜り込み4人で身を寄せ合った。シャンデリアや壁際に並べてあったワインボトル、テーブルのグラス類、ガラスが割れる音が、あちこちから聞こえてきた。揺れがやや収まった後、窓から下方を眺めてみると、激しく燃えあがるコンビナートの火災が見えた。店から出ると、電気は消え、フロアの防災シャッターが降り、エレベーターは止まっていた。見たこともない光景だ。ワンセグを付けた時に初めて、東北で大きな地震が起こったことを知った。
度重なる余震に何度となく不安が襲ってくる。このままではビルが崩壊するかもしれない。死の恐怖を感じた。
しばらくして「歩いて降りるよ、学校へ行こう!」と一人が。その日は中学2年生最後の懇談会が行われることになっていたのだ。「子どもたちはどうしているのか」。パンプスを履いたままビルの最上階から地上階まで降りた。既に交通機関が止まっていたので、歩くより手段がない。とにかく早く子どもたちの元へ。はやる気持ちを抑えつつ何駅も歩き、やっとの思いで学校にたどり着くことができた。
自宅が徒歩圏の者は既に帰路につき、百数十名程の生徒と保護者が、古い体育館で一夜を過ごすことになった。何度となく続く余震、携帯の警報音。先行きの分からない不安が募るばかりであった。そんな中、先生の落ち着いた対応や、てきぱきと行動する生徒たちの様子はとても頼もしかった。未だに目に焼きついているのは、夜通し交代でパイプ椅子に座り、見守ってくれた先生の姿である。
翌朝、同じ方向に帰宅する生徒4人を連れ、学校を出発した。JRや地下鉄、バスを乗り継ぎ、ようやくそれぞれ保護者に引渡すことができた。心から安堵し、二日間に渡る疲労がどっと押し寄せてきた。
翌年、中学3年生になった彼らの卒業式が行われた。
生徒会長の答辞
「・・・学校生活はとても有意義なものだったが、そんな日常をひっくり返すような出来事が起こった。東日本大震災。その凄まじい揺れは恐怖そのものだった。この時ひとつ考えたことがある。それは、別れはいつ来るか分からないということ。卒業という岐路に立っている僕らは、卒業式という決まった別れの日がある。だが、決別の時はいつやってくるか分からない。自分たちが、今、生きている、それは『幸運な事実』であるということだ。
僕がここにいるのは、多くの友人、先生方、家族、繋がっている全ての人のおかげである。先生方が自分たちのためにオリジナルの授業を考えてくれる、親が日々自分たちの世話をしてくれる、友人ととことん議論を交わしたこと、何気ない日常生活、それこそが濃密な時間であったのだ。
文化祭、運動会など行事を通じて、復興に何か役立ちたいと考え実行してきた。しかし15歳の自分たちではできることに限界がある、虚しさも知った。これから社会に出て、世の中に役立つ人間になること。それが今までお世話になった人たちに対して、本当の恩返しになるのだと思う・・・」
震災から4年の月日が流れた。2015年3月、高校の卒業式が行われる。中学高校と6年間通った学び舎からついに彼らは飛び立っていく。子どもから伝え聞いた話では、政治に興味をもった子、都市づくりや土木建築に関わりたい、病気や怪我のケアをする看護や医療従事者を志す子もいるそうだ。
未来を語る子どもらのその根底には、3年前のあの言葉があるに違いないと信じたい。
スイートピーの花言葉は「門出」「優しい思い出」
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本日2015年3月11日、1日限定で特別な企画が行われていることをご存知でしたでしょうか。
ヤフーで「3.11」と検索してみてください。
「3.11」というキーワードで検索された方おひとりにつき10円が、Yahoo!検索から被災地の復興にたずさわる団体に寄付されるというものです。
この支援は、2015年3月11日0時00分から23時59分の時間帯に、「3.11」というキーワードで行われた検索が対象となります。
また、「3月11日」「3,11」など、表記が異なるキーワードについては、原則として寄付額算出に含まれないそうです。
詳細はこちらをご覧ください。
3.11、検索は応援になる。