11日~東北の被災地20歳の決意~きずなFプロジェクト
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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1月8日、20歳を祝う式典が東北各地でも開催されました。
宮城県七ヶ浜町では、向洋中学校の卒業生らでつくる東日本大震災の伝承団体「きずなFプロジェクト」の1期生が町の成人式に出席しました。
きずなFプロジェクトは、向洋中学校での震災学習から始まりました。
東日本大震災を「命を学ぶかけがえのない教材」と位置づけた震災学習では、被災状況を知るフィールドワークを行ったり、災害公営住宅で被災者の方との交流を行ったりしました。
つらい体験から、震災の授業が嫌で、早く終われと思った子どもたちでしたが、活動を通して過去と向き合い、成長していきます。町の役に立ちたい、ときずなFプロジェクトの前身団体「Fプロジェクト」という有志チームを立ち上げました。
Fは、ふるさと・復興・future(未来)の頭文字です。
向洋中学校での震災学習を計画したのは、仙台市出身の瀬成田実氏。宮城県の中学校で社会科教諭を務め、震災当時は宮城県教職員組合書記長として被災校支援に奔走しました。子どもの自治活動を大切にしながら、数々の実践に取り組んできました。現在は、「Fプロジェクト」を継承した「きずなFプロジェクト」の世話役として、若者たちと共に震災の継承や復興に力を尽くしています。成人式の会場にもお祝いに駆け付けたそうです。河北新報ONLINE Twitter では写真も見ることができます。
「大人として次世代へ震災つなぐ決意新た 宮城・七ヶ浜の伝承団体1期生が成人式」
「震災を語り伝える若者たち~みやぎ・きずなFプロジェクト(瀬成田実著)」は、子どもたちの6年あまりの学びの記録です。
きずなFプロジェクトは、2018年から幼稚園・小学校を訪問して紙芝居の上演や、防災のゲームを通して子供たちに震災について知ってもらう活動などを本格的に始めました。(宮城県復興支援・伝承課 YouTube「みやぎ東日本大震災津波伝承館/きずなFプロジェクト」)
成人式では、「大人として震災を知らない世代に伝えられるよう活動を続ける」と決意を新たにしたそうです。
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向洋中の生徒の中には、母を失ったり、家に物を取りに行った時に亡くなる人を見たりして思い出すのも辛い経験をした子どもたちがいます。
でも、その子どもたちが、今では震災を伝える活動をしている。
心は傷ついても前を向いて進んでいる。
強いなと思います。
それは向洋中のプロジェクトがあったから、子どもたちが自分と同じ辛い体験をしてほしくないという思いを発信できたのだと思います。
日本は地震の多い国だし、いつどこで起こるかわかりません。
自分は何も失っていないし、辛い体験をした人がたくさんいるから、自分なんかが震災について話すのはどうかなという気持ちはあります。でも、聞かれた時には自分の見たことや経験したことは伝えるようにしています。
少しでも3.11のことを忘れずに共有していけたらと思います。(七ヶ浜町・Mさんより)
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七ヶ浜の町花「ハマギク」。潮風に耐え白い花を咲かせる。花言葉は「逆境に立ち向かう」。
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