11日~東京2020ヴィクトリーブーケに込められた想い
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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東京オリンピックが閉幕しました。メダルセレモニーでは副賞としてビクトリーブーケが贈られました。
オリンピックで選手に贈られたのは、東京2020オリンピックのマスコット「ミライトワ」と組み合わされた左のブーケ。8月24日に開幕するパラリンピックでは右のもの、東京2020パラリンピックのマスコット「ソメイティ」が組み合わされたブーケが使われます。
これらに使われている花は、岩手、宮城、福島の3県で生産されたものです。
TOKYO2020公式HP
ビクトリーブーケには、東日本大震災の復興への願いを込めて、被災した東北3県の花が使用されています。また、震災復興や支援への感謝を世界の人に届けたいという思いもこめられています。
オリンピックでは、トルコギキョウ(福島県産)、ヒマワリ(宮城県産)、リンドウ(岩手県産)、ナルコラン(福島県産)、ハラン(東京都産)が使用され復興の象徴である東北の花でまとめ、どの角度でも見ることが出来るぎゅっと束ねたラウンドタイプ。
パラリンピックでは、トルコギキョウ(福島県産)、バラ(宮城県産)、リンドウ(岩手県産)、ハラン(東京都産)です。オリンピックのヒマワリがパラリンピックではマスコットの「ソメイティ」と同色のピンクのバラに合わせてあるそうです。
ブーケ贈呈は1984年のロサンゼルス大会に始まったと言われています。しかし、リオデジャネイロ・オリンピックからはメダル置きになるなど、過去2大会では花の調達の問題で行われませんでした。平昌オリンピックで、スホランのぬいぐるみや、平昌の山並みをモチーフにしたオブジェを手にする羽生選手の姿を覚えていらっしゃることでしょう。生花を使ったブーケは、ソチ・オリンピック以来、3大会ぶりの復活となりました。
ヒマワリは、復興のシンボルとして様々なプロジェクトで育てられてきました。また、津波の被害にあった農地の地力を回復させるために沿岸部に植えられ、土壌を育んでいます。
宮城県石巻市では、東日本大震災で子どもを亡くした親たちが、子どもたちが避難するために目指した丘にヒマワリを植えました。そしてその丘には毎年ヒマワリが咲くようになりました。絵本にもなったこの話ですが、宮城県のヒマワリはそうした被災者たちの思いも込められている花です。
ブーケに使われる花は、通常よりも小さくする必要があり、県の農業・園芸総合研究所(名取市)は2019年末からブーケ用の小さいヒマワリの栽培方法を研究してきました。その方法をもとに県内の農家がひまわりを栽培しました。
ヒマワリは、選手の手に渡るときに最も美しく咲くように、表彰式の3日から4日前に、花びらがわずかに見えるものを摘み取り、2度の低温に保って輸送されたそうです。
トルコギキョウは、福島県が県ぐるみで生産に力を注いでいる花です。
震災で農作物の出荷が減った当時、花栽培で復興のきっかけを見いだそうと計画されました。
福島県浪江町では、福島第1原発事故後、トルコギキョウなどの花栽培に一から取り組み、
花卉(かき)業界から認められるようになりました。浪江町には原発事故前は、花農家がありませんでしたが、少しずつ増え、来年には10軒になる予定だそうです。
海外の方に福島に足を運んでもらって、復興しつつある被災地を知ることを通して、風評被害を払拭(ふっしょく)したいという願いは、コロナの影響で断念せざるを得なくなりましたが、ビクトリーブーケを通じて、被災地の花ということだけでなく、世界をリードするクオリティーを持つ日本代表の花にまでなったということを、テレビを通じて、ぜひ世界の人に知ってほしいそうです。
リンドウは、岩手県を代表する花で日本で出荷されている半数以上を生産しており、エンブレムの色と同じことなどが選ばれた理由だそうです。
ブーケは、オリンピック・パラリンピック合計で約5000個にもなります。
被災して今頑張って立ち上がっている農家や新型コロナで大きな打撃を受けている生産者が多くいます。花を頑張って作っていることを感じてもらえたり、少しでも花の業界がにぎわうことにつながったらと思います。
たくさんの思いが込められたビクトリーブーケですが、ブーケに使われる花は生花のため、母国に持ち帰れない選手がほとんどです。今回ブーケにマスコットが付けられたのは、メダリストの手元にも記念として残り、家族や親しい友人と記憶を共有できるものをということで考えられたのだそうです。
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ブラジル選手団のスポーツマネジャーを務めるファジャルド氏が、自身のインスタグラムで、メダリストに贈られるブーケで使われている花のことや、「ミライトワ」の名前の意味なども紹介してくださっています。とても嬉しいですよね。
ブラジル女子体操スタッフ 金メダリスト・アンドラデと被災地の花のブーケを紹介(2021.08.08 デイリースポーツ)
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