11日~小学5年生は20歳になって
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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先日の新聞で、探査船「ちきゅう」乗船中に東日本大震災に遭い、船内で一夜を過ごした小学生が、船員の決断と工夫を知り、自ら機関士として働き始めた、という記事が目に留まりました。
東日本大震災が起きた2011年3月11日。青森県の八戸港に停泊していた海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」は、見学中の子どもたちと共に津波に襲われました。「津波が来ます。危険なので下船できません」。社会科見学で訪れていた小松幸生さんら八戸市中居林小の5年生48人は、船内に閉じ込められました。大人たちの深刻そうな表情や会話に、小松さんら児童は家族や自宅の被災状況を思い浮かべ、不安を募らせました。そんな中、乗組員が「みんなで歌を歌おうよ」と子供たちに呼びかけます。小松さんは、皆を落ち着かせようとした船員の工夫を後から知りました。翌12日の昼過ぎに救助のヘリコプターで避難した際、コンテナなどが散乱する港の様子が眼下に広がりました。不安にさせまいと、船内では船員が窓を閉めてくれていたことも、後に分かりました。
高校3年生時、小松さんら当時の小学5年生が探査船ちきゅうに招待されました。大型船を動かす魅力や機械の整備を担う使命感を話す船員たち。その姿に憧れ、船員を目指すと決めたそうです。学ぶ中で、安全を最優先に、下船を焦らず船で一夜を明かした船員の決断に気付きました。今の自分があるのは、あの判断のおかげ。小松さんは「安全は自分が守る。ちきゅうのような大型船でも一流の仕事ができるようになりたい」と語ります。(河北新報 2020年9月13日)
小松さんらの当時の体験は絵本になっています。冨山房インターナショナルから発売された『津波の日の絆 ━地球深部探査船「ちきゅう」で過ごした子どもたち』(冨山房)です。著者は、「張り詰めていた緊張感が和らぎ、明るい雰囲気になった。歌う姿に、むしろ大人が勇気づけられた」と振り返る、船に乗り合わせていた機構構成員、小俣珠乃さんです。
「【東日本大震災】子どもたちの歌声が、船内の空気を変えた。探査船「ちきゅう」の被災体験が絵本に」(ハフポスト日本版編集部)
著者の小俣珠乃さんが講演絵本の読み聞かせとワークショップで震災の記憶を伝える活動もありました。(「地球探査船の見学中に津波 身を守った一日 絵本で学ぶ」沖縄タイムス プラス 2020年2月18日)
経験したことを将来に生かそうと考えて行動していく若者の姿には、本当に励まされます。大人として、どんな行動ができるだろう、これからどのようにすれば良いのだろうか。これからも折に触れ考えていかなくては、と思うきっかけになった記事でした。
ナンテン 花言葉は「機知に富む」
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