アイスショーレポNo.10 ~ Continues ~with Wings~(第1部)~
4/13~4/15、「武蔵野の森総合スポーツプラザ」(東京都調布市)で、羽生選手自ら命名した「Continues ~with Wings~(コンティニューズ・ウィズ・ウィングス)」が華やかに開催されました。自身初のセルフプロデュースに挑んだアイスショーは、当初リハビリ加療中のため、スケーティングでの出演予定はないとのことでしたが、嬉しいサプライズが!
治療が順調に進み、ジャンプ抜きなら演技ができるまでに回復し、自身のプログラムをメドレーで見せてくれたことを、まずはご報告します!
スケーターとファンとの距離がぐっと近く感じられるような企画、細かいところまでこだわった演出が満載のアイスショー。ファンにとって特別なハッピーウィークエンドとなりました。
会場前にあるContinuesの素敵な看板に心躍らせながら入場すると、場内に流れる音楽は羽生選手のプログラム使用曲のみ。ファンにはたまらない空間ができあがっていました。会場スタッフに確認したところ、演技以外の場内撮影はOKでした(注:他のアイスショーは場内撮影はすべて禁止されていることがほとんどです)。開演を待つ時間もあっという間に過ぎていきました。
流れていた曲がSEIMEIに変わったとたん、スポットライトがリンクに多数の五芒星を浮かび上がらせます。曲がラストに近づくにつれ、もう気持ちの高ぶりが抑えられません。いよいよオープニングです。
-第1部-
1)オープニング
羽生選手は「パリの散歩道」の黒い衣装で登場。ステージからリンクへと、すーっと静かに滑り降りる姿に驚きの大歓声が! それから出演スケーターをリンクに招き入れます。郡舞の中でシェイリーンがSEIMEI、ジェフがバラード1番、ジョニーがHope&Legacyの振付を滑っていたのに気付きました。今回のテーマ継承は、すでにここから始まっていたのですね。
出演者の紹介は羽生選手のビデオメッセージで。彼らから何を継承してきたか、本人の言葉で語ってくれました。
2)ジョニー・ウィア <アヴェ・マリア>
小さい頃からの憧れのスケーター。パンケーキスピンなどで手の表現を取り入れたのはジョニーの影響だった。
3)無良崇人<オペラ座の怪人>
3Aが安定していないときに仙台で一緒に練習してくれた。ジャンプの面倒を見てくれた、頼れる兄貴のような存在。
4)ジェフリー・バトル<For Forever>
カナダに渡ってからすべてのSPを振付してもらった。どんな曲でも滑りこなせる、音を逃さない、すべての音を拾う。美しい姿勢、体の使い方、たくさんのことを学んだ。
5)ゲストトーク(羽生選手が記者となりゲストにインタビュー)
13日:ジョニー
14日:無良
15日:プルシェンコ
6)佐野稔<ブダペストの心>
お姉さんが仙台で佐野先生のスケート教室に参加した。お姉さんがやったから自分もスケートを始めた。スケートを始める根本的なきっかけとなった人。
佐野先生、62歳、22年ぶりのアイスショー出演。かなり練習して臨んだそうです。とても姿勢が美しく、イナバウアーまで魅せてくれました。ギラギラタキシードもお似合いです。2日めに来ていた師匠の都築章一郎先生に「転ばずに演技できましたよー」と手を振ったのが微笑ましかったです。
7)羽生選手のテクニック解説(解説:佐野稔、実演:無良)
13日:イーグル-3A-イーグル(アウト → インサイド チェンジエッジ)
14日:ハイドロブレード(バックイン、バックアウト)
15日:バックアウトエッジからのカウンター3A
どんなに羽生選手が難しいことをやっているかが、よーくわかりました。快く実演してくれた無良さんの頑張りにも大きな拍手が沸いていました。
8)川口悠子・アレクサンダー スミルノフ組 <マンフレッド交響曲>
川口さんは同じ都築先生の門下生。ロシアに渡るために自ら手紙を書いたそう。その勇気に自分もカナダに移ることを決心した。背中を押してもらった。
9)シェイリーン・ボーン<Bon Bon>(演技途中でラッパ隊登場。3日めは羽生選手が乱入)すべての演技に物語を持たせる。SEIMEIを振り付けする際、どのように日本らしさを表現するか、そして世界に通用するかを考えてくれた。
10)エフゲニー・プルシェンコ <ニジンスキーに捧ぐ>
ソルトレイクオリンピックを見て自分も金メダルを獲りたいと思った。いつも自分を応援してくれる。NHK杯の怪我の際も信じて待ってくれた。僕のヒーロー。スケート界の神。
豪華なスケーター陣ですが、たった9人ではやや寂しいかなと開幕前は危惧していたものの、実際はそんなこと、微塵も感じませんでした。それは羽生選手にオファーをもらった誇りを胸に、スケーターたちが心を込めて滑っているのを感じたからです。初日は緊張気味だった羽生選手ですが、後半になるにつれ、どんどん気持ちがほぐれていき、楽日には「羽生さん家のホームパーティー」に来ているような、そんな風に感じさせてもらえるほど、ファンとコンタクトしてくれて、とても楽しく心地よい時間になりました。第2部の様子は次回に。to be continued~(by mo)
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