アイスショーレポートNo.64 ~Fantasy on Ice 2024 in MAKUHARI(1日目)
5月24日(金) 1日目 現地より
幕張からスタートするファンタジー・オン・アイス、今年の全体振付はジェフリー・バトル。「おかえりなさい待っていましたジェフ!」でテンション爆上がりなのだけど、羽生くんのお怪我でメンシプメッセージも届き心配が尽きないことも事実。いつも以上にドキドキするAツアー初日です。
ダダンダンダダン♪
オープニングのラストで登場する羽生くん。 原孟俊さん製作のお衣装は片袖、そしていつもどおりの着丈(^^)。今日は跳ばなくてもいいよーと思う先から4Tチャレンジ(惜しい)。ステキに煽って盛り上げてくださるなか、ジェフ振付のアクト2へ。
羽生くんのソロパートがたっぷり。たぶん例年通りならセルフコレオを任されているはず!! 女性陣(青木さん、宮原さん、パイパーさん、ガブリエルさん)と共に踊り、その後男性陣も加わって、安田レイさんの曲に合わせての群舞となりとても素敵でした。
贅沢な時間が過ぎていき、ステファンの演技にうっとりし、次はパパシゼ?と思ったところで、あの見覚えのある白いお衣装が!場内の歓声と悲鳴に近いざわめき、みんなの心は一緒!そう!2プロ来たあ!ダニーボーイ来たあああ!
スタートポジションに立つとピタッと静寂が訪れて、曲が始まります。ああ、ありがとう!夢に見た「ダニーボーイ」が再び! 平穏な時を願う。この数年、アンサンブルにウクライナのスケーターがいることに思いを馳せ、平和への祈りが重なります。緩急自在で美しいトレースを描きながらこんなにも心を揺さぶるスケート。ダニーボーイは羽生くんの数あるエキシナンバーの中でも3本の指に入るのでは?巷ではデヴィッド・ウィルソン三部作(ノッテステラータ、春よこい、ダニーボーイ)と名付けられているとか…。ジャンプ、スピンも美しく決まり、演技が終わると大歓声が沸き起こりました。ごめんなさい羽生くん、「ルンバに乗ってマイク握りしめてお話しするだけでもいいの」なんて思っていて・・・。やっぱりあなたはどんなときも全力の人でした!
第1部、とくにステファン、羽生くん、パパシゼの流れは圧巻。赤い彗星シャアの刑事くんコラボも良かったです。
今回特筆すべきなのはルンバの進化です。まず、収納されると舞台の直線に揃うので、スケーターの邪魔にならない。そして、いざルンバ出陣となると、去年より複雑な動きができるようになっている。羽生くんと同じく都築先生の薫陶を受けた青木祐奈さんのアラジンでは、城田優さんが彼女に歌いかけながら移動するときのルンバが魔法の絨毯のようで、「正しいルンバの使い方」に大興奮しました(^^)。城田さんと安田さんの歌声は素晴らしいハーモニーで、祐奈ちゃんはまさにディズニープリンセス!照明も最高でめっちゃ盛り上がりました!
西川貴教さんと羽生くんのコラボ、大トリはガンダムSEEDの挿入歌「ミーティア」。キラ・ヤマト降臨です。右肩に羽がたっぷりの青を基調としたお衣装を着た羽生くんは、GIFTの“大きいさん”のよう。主人公機ストライクフリーダムは、羽がもげる時いつも左がなくなるそうなので、それも意識されているのかもとお聞きしました。演技はショートサイドに向かって迫り来る! こちらもセルフコレオだそうで、先のRE_PRAY公演でも話されていた直線的な動きを多用し、ガンダムの闘いの切なさ(友と戦うことになるストーリー)を表現していた気がします。2日目(5月25日)の生放送は録画して激リピしなければ!
フィナーレは、代表作HIGH PRESSURE。「カラダが夏になる・・・♪」めっちゃ強い風や雨を浴びながら歌う、あれです!お衣装は大変けしからん素敵さで、群舞はすごく凝っていて、いうことなしです。羽生くんは群舞に加わるまで舞台袖でずっと踊りまくっているのが、ショートサイドからよく見えました(^^)。ヘドバンも(ちょっとヒヤヒヤ)。そして観客もどうやらサビの部分、踊っていいみたいですよ♪ 羽生くんが煽ってたってあとで聞きました!
一芸大会では羽生くん、「みんなやってねー」という感じでしたが、ラストしっかり美軸4T降りちゃうところ、さすがです!
すぱらしいショーをありがとうございました。羽生くんしっかり休んでくださいね。テレビ朝日さんによるショー2日目の放送、たくさんの人に届きますように!
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もうお二方からも貴重なレポートが届いています。
✼••「Danny boy(ダニーボーイ)」について••✼
予想もしていなかったかたちで再演されたダニーボーイ。3階席のいっちばん端っこ、目の前はステージという注釈S席で観ていた(左の画像右下の暗いところがステージ)。それなのに広いリンクを滑るゆづが迫るようにものすごく大きく見えたんです。思いがけず、隣の席の方も「羽生さん、なんかすごく大きく見えませんでしたか?」とまったく同じことを言われて、初対面なのに手を取り合って「すごいものを見たね」と涙ながらに感動を新たにしたのでした。終演後、歩道橋から見た月、神秘的でたくさんの人が撮影していました。
✼••「Meteor(ミーティア)」について••✼
初日なのでまったく基礎知識がないままに純粋な気持ちでその世界を見た。素晴らしい衣装、カッコイイ振付、西川さんの歌唱と音楽に魅了されて衝撃が駆け抜け、あっという間に終わってしまった。曲の意味も物語の背景も何も分からない。「凄かった!」だけが残った。何が凄いか知りたくて、Xに投稿されている西川オタさんたちのコメントを読み漁った。あぁ、これは只者じゃない。
Meteorとは流星の意味。深い嘆き悲しみや祈りや使命やらの物語だった。戦いを好まないけれど人々を守るため命をかけるキラ・ヤマト。肩に舞い降りたトリィを慈しむ一瞬の振付。衣装の片側にしか羽がないのも解明。
ここでなぜ前半にDanny boyが来ていたのかやっとのことで気づいた。Danny boyの振付では氷の上の何かを抱きしめた、あれは何だったのか?翻訳歌詞の「私の眠っている場所を見つけてくれるでしょう」の一節が切ない。notte stellataでしか見られないプログラムと諦めていたダニーボーイ。私にとって大切な年中行事である「幕張初日」で見せてもらえるとは!! と、ただただ驚きと感動でいっぱいだったけれど、ひと晩の考察ののち、実は2部のMeteorに続くすごい伏線だったのではと理解したのだった。(2日目レポートに続く)
>>>その他のショー・試合レポもぜひご覧ください。アイスショーレポートは2015年のFaOI幕張から書き続けています。