アイスショーレポートNo.58 ~ ICE STORY 2nd “RE_PRAY” TOUR(横浜2日目)
2月21日(月) 横浜・2日目 現地より
雨の大楽公演。少し肌寒いくらいなのに、ぴあアリーナに向かう人たちで会場周辺は熱気に満ちています。プロローグやGIFT、そしてRE‐PRAYのグッズを身につけている人が多いからか、知らない者どうしなのになんとなく連帯感が漂います。
いつの試合でもショーでも、圧倒的なオーラを身にまとっている羽生選手ですが、今日は凄味さえ感じられました。どの瞬間も一分の隙もないスケーティング、ジャンプ、スピン。特にスクリーンに後ろ姿が大きく映し出されたときは、あまりにも完璧なシルエットに息をのみました。もともと全方向どこから見ても美しい人だけれど、一つひとつのポージングがさらに美しくなっているようです。
ふと思い出したのは1月に放送されたRE‐PRAYのドキュメンタリー番組で、ふだん鏡を使って練習しないと言っていたことです。幼いころから自分の姿が全方向から見えるといったことを語っていたことがあったので、常人が鏡を見て自分の動作、形を確認するような感覚とはまったく違った境地で動いているのだろうなと思いました。
さて、初めてさいたま公演のライブビューイングで見たときから、プログラムも衣装も大好きな『メガロバニア』! 畳みかけるように散りばめられたスピンがすべて音とリンクしているのは、まさに圧巻です。
『破滅への使者』全身全霊のクジャ様は有無を言わせない強さに、これ以上戦ったら壊れてしまうのではないかという儚さが垣間見えて心が震えました。ただただ祈りながら姿を追い、ついに達成したノーミス! スクリーンに「CLEAR」の文字が大きく浮かび、力尽きて氷上に膝をつく羽生選手。うわぁあああと、どよめきなんてものじゃない物凄い歓声が響き渡り、皆、跳び上がるように立ち上がって勇者を称えました。
あぁ終わってしまう・・・と一抹の寂しさを感じながら迎えた後半。
『春よこい』はファンタジーオンアイスで初披露されたときから何度も何度も観ている演目なのに、今日は涙が溢れました。羽生選手が「見てくださる人それぞれで感じ取ってください」といつも言われていますが、その意味が心底わかりました。待ち遠しい春なのに、まさにその春に巣立っていく娘を思って涙したのです。同時に心が洗われていくような清々しさも感じていました。
両隣の方は私と同様、最後の最後のチャンスの先着でやっとチケットを手に入れたとのことです。規制退場のため客席でそのまま待つ間、「今日観れてほんとによかったですよね」とお互いに何度も言い合っていました。
~テレビのライブ放送を観て~
・ほんとにすごい気迫でした。『破滅への使者』を完成させたいというゆづの決意が最後に達成されてほんとによかったです。
・時間制限のあることをご本人も自覚してるんですね、胸が締め付けられました。
・リアルタイムで放送、世界配信の中、演じ切ってもう言葉がありません…ますますしっかりと応援しなくては、改めて思いました。
・ひとつひとつが完成度高くて、どれだけの鍛錬を重ねてきたんだろうと想像を絶します。羽生選手は今を精一杯生きてるんですね。
~ディレイビューイング会場~
【2024.2.28追記】
ディレイビューイングをご覧になったメンバーさんからも素敵な感想が届きました!
<メンバーAさんより> 大画面でもう一度体感するRE‐PRAY。「あんな表情してたんだなあ」と新たな発見。再び祈るような気持ちで観た『破滅への使者』。スクリーンの中の結弦君は現地で見守ったときほどには緊張している感じが伝わってこなくてホッとしました。
最後のMCは、現地で観た1日目とライブビューインクで観た大楽を比べると、1日目のときの方が、応援している私達と結弦君の心のやり取り的なものをより強く感じました。大楽は最後の締めくくりの公演で、ライブ放送や海外へのライブストリーミングなどもあったからかもしれません。
<メンバーBさんより>
一緒に観に行った娘の感想です。「すごいとしか言いようがない…言葉を失うレベル」と泣きながら拍手していた娘。その後、なにも話すことができなくてしばらくぼーっとする時間が流れ…やっと絞り出した言葉が「自ら破滅へと向かっているような前半と、自ら命を生み出しているかのような後半が、相反してるようでいて、反していないような…表裏一体というかなんというか…」。
そして最後の『春よこい』はもう泣くしかない…」と。「ダメだ、まとまらない」と涙目になりながらも、若い彼女の感性は大きく揺さぶられたようでした。その後なぜか突然我に帰ったように「あのアンコールはなんなの?!かわいすぎるしカッコ良すぎる! 反則~! 体育館裏に呼んで、もこもこの何かでぐるぐる巻きに包み込みたい」と言ったのでした。
~RE‐PRAY関連の催し~
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