11日~石巻市から防災を伝えるMEET門脇
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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東日本大震災で犠牲者が最も多かった宮城県石巻市。
石巻市の中でも、特に被災の大きかった南浜地区は、地震と津波、火災、地盤沈下の被害を複合的に受けた、平野部の被災を代表する場所です。
南浜つなぐ館では、「語り部」「車中案内」などの震災伝承プログラムを提供しているほか、震災展示・交流スペースの設置・運営を行ってきましたが、今はスタッフを不在にして開館する「無人開館」の実証実験中です。
来訪者はタッチパネルで入場を記録します。消毒液が置かれ、感染対策のお願いが表示されていました。シアターの中だけは撮影禁止になっていますが、自由に見学して、震災・防災や地域の情報についてのパンフレットなどを受け取ることができます。
南浜つなぐ館と同じ、3.11みらいサポートの方々が運営するMarch 11 Education & Exhibition Theater(略称:MEET)門脇がオープンしました。
入口に見える施設のロゴなど一部のデザインは、川崎市のデザイン会社「ノクチ基地」が手がけました。ノクチ基地のメンバーでデザインを担当した山崎さんは、学生時代は石巻市内でボランティアを、卒業後は石巻駅前に飲食店を出店・運営したり、復興支援団体のロゴを作ったりされてきたそうです。
整備が進む震災遺構、旧門脇小学校の隣接地にあります。
石ノ森漫画館で泥に埋もれていたというフィギュアが、こちらで出迎えてくれていました。
(「石巻マンガロード まちあるき」より)
エントランスから物販ホールは無料エリアで、防災に関する書籍やオリジナル・トートバッグ、クリアファイルなどのグッズを販売しています。
有料エリアがあり、その1つは、2面投影シアターです。
100人以上の方からの聞き取り「あの時プロジェクト」(東北大学災害科学研究所「石巻市南浜町における震災当時の津波襲来・避難行動の総合分析」との協働プロジェクト)から導き出された知見を、大画面の2面シアターで紹介しています。点の動きで表わされる一人一人の避難行動と刻々と迫る津波の様子を、胸が締め付けられるような思いで見ました。また、「家族を探す行為が最も危険。家族で避難場所を話し合っておくことが必要」という言葉を聞いて、理解しているだけではなく、実際に行動に移しているか、移せるかが大事だと改めて感じました。
南浜地区では390名の方が亡くなり、147名は行方不明になっています。自分たちの3.11の行動をありのままに可視化することで、あの日の前に出来たはずのこと、次の災害から命を守るために今できることを伝えたい。そのような強い思いを感じました。
子ども防災学習展示室では、震災を知らない世代に向けて、当時子どもだった6人の「あの時、こどもだった 私たちからつたえたいこと」が漫画で上映されています。
石ノ森萬画館や漫画家、多くの声優さんの協力のもとで制作されたもので、漫画の町、石巻らしいコンテンツです。内容はとても分かりやすく、同じ世代からの声は、子どもたちの心にきっとまっすぐに届くのではないでしょうか。
丸テーブルに置かれたタブレットでは、「ちょボットの防災道場」(Yahoo!きっず「ちょボットの防災ランド」内で提供)というアプリで防災について学べるようになっています。子どもたちはクイズに答えながら、ゲーム感覚で日頃からの備えや心構えを学べそうです。
(有料エリアの写真は3.11みらいサポートHPより)
3.11みらいサポートでは、 伝承・交流のほか、 安全・安心のまちづくりや 地域づくりサポート、 学校の防災教育、 被災者支援の連携推進、 3.11 メモリアルネットワーク基金助成など様々な活動を行っています。震災学習プログラムや語り部の申し込みなど、詳しい活動については3.11みらいサポートHP からご覧いただければと思います。
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