11日~「おかえりモネ」の気仙沼へ
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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5月17日から始まる朝の連続小説「おかえりモネ」は宮城県・気仙沼市で生まれ育った主人公の物語です。
気仙沼市には、震災後に起業した方や、これから起業しようとしている方、移住して来た方が多くいらっしゃいます。
ドイツから医学研究者として日本に留学していた梅村マルティナさんは、そのような方の一人です。
マルティナさんは編み物が趣味だったことから、震災が起きたとき、「自分だったら指を動かすと落ち着く気持ちになる」と避難所に毛糸や編み針を送りました。すると、気仙沼市の小原木中学校から「この毛糸、すごい楽しいから、もっと送って欲しい」と連絡がきました。
編んでいる人たちの写真を見て、マルティナさんは、実際に避難所を訪ねました。約180人ぐらいの人のうち、編み物ができる人は、そのうちの15人ほど。ほかの人も楽しく指を動かす何かをと考えているうちに、マルティナさんは、ドイツで三つ編みを習うときに作る「タコちゃん」を思い出しました。
「余り毛糸を持って行けば、みんなで、子どもたちも、編み物をできない方も、指を動かしてものを作れるんではないか」。そうして誕生したのが「小原木タコちゃん」です。
「しあわせをいっぱいつかみとれるように」と願いが込められています。
やがて、お父さんたちは船に乗り出港し、子どもたちの学校も再開されましたが、お母さんたちには仕事がありません。マルティナさんは「お母さんたちと一緒に何か稼ぎになることはないか」と考えました。
そんなとき、年に1度ドイツに帰っていたマルティナさんは、お母様から家の近くで作っている「編むだけで自然に模様になっていく楽しい毛糸」を教わります。
簡単に編める「腹巻き帽子」を作りました。
「この帽子をもうちょっと本格的にやれば、稼ぎになるのではないかと思って、お母さん達と一緒に会社をつくりませんかということになり、会社をつくっちゃいました」
会社をつくるにあたって、マルティナさんはこう考えたそうです。
「『お母さん達が安心して働ける所』という安心だけではなく魅力的な職場をつくりたい。気仙沼で何か成長できるような職場があれば、子どもがそれを見て気仙沼に残る。もしかして大都会に行かないとか、そんな仕組みをつくらなければならない」。
そうして梅村マルティナ気仙沼FSアトリエ株式会社(KFS)ができました。
Kは気仙沼の頭文字、FSといういのは、ドイツ語で「フリーデンスソッケン」、平和の靴下という意味で「気仙沼から全国に届けられる毛糸とニットに触れて、みんなで幸せに」という願いが込められているそうです。
ドイツの本社と連絡を取り合い、輸入するばかりではなく、今ではオリジナルの「気仙沼カラー」のシリーズも販売するようになりました。
毛糸の中には「動物シリーズ」があり、売上の一部は小原木たこちゃんの収益と共に、森林保護のための寄付になっています。
自然災害を防ぐことに関心を寄せるマルティナさんのお話がこちらで聞けます。
しあわせを編む魔法の毛糸Opal(オパール) ~梅村マルティナさんインタビュー~ – YouTube
梅村マルティナさんと語る!オパール毛糸と編み物の話⭐︎opal毛糸ドイツから日本へ⭐︎【happyknittingmama&ニコ編みコラボ】 – YouTube
一関と気仙沼を結ぶ大船渡線の駅前にKFSの直営店があります。
気仙沼駅の駅舎です。中にはジオラマもありました。
KFSのお店は駅の真向かいにあり、「気仙沼ゼブラ」という糸の名前にちなんで置かれたシマウマさんが出迎えてくれています。中には小原木たこちゃんや毛糸、手芸用品などが置かれていました。シマウマの編みぐるみが作れるキットもあります。
編み地が分かる、可愛らしい置物もありました。
ずらりと並んだ毛糸や編み地、作品の見本。1本の糸からこの模様ができるのですね。
気仙沼市では、ほかにも気仙沼ニッティングやオイカワデニムなど、気仙沼ならではの魅力的な会社や製品が生まれています。
復興道路・三陸沿岸道の整備が進んでいます。気仙沼市へのアクセスはずいぶん便利になり、仙台東ICから車で2時間ほどになりました。野田IC~久慈IC(12km)と田野畑村大芦~田野畑村田野畑(6km)は、この夏に開通するそうです。そして、年内に完了予定の、普代村第十六地割~野田ICの工事が終わると、ついに仙台~八戸間が1本につながります。(復興道路・復興支援道路情報サイト)
「おかえりモネ」の気仙沼に足をのばしてみたいと思う方が増えてくれたら嬉しいな、と思いました。
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