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11日〜忘れない〜

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11日~食べて救う三陸の宝「ほや」

Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。

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東日本大震災で大きな被害を受けた名取市閖上(ゆりあげ)地区に2019年4月、新しい商業施設「かわまちてらす閖上」がオープンしました。
2019ファンタジー・オン・アイス仙台に訪れたメンバーさん達は、そこで「ほやの唐揚げ」に出会いました。そして、禁輸措置の影響による大量廃棄対策という話に驚いたそうです。

宮城県は全国有数のほやの産地です。石巻市の牡鹿半島や女川町、南三陸町などで養殖されてきました。津波によって壊滅的な被害を受けましたが、漁業者の方々は、国や県の復興補助を活用しながら復興に努め、生産量は回復してきました。ほやは、震災以前、生産量の7~8割が輸出されていました。ほやは養殖を始めて3年目に出荷することが基本です。ところが、震災後の初出荷となる2014年が近づく2013年から、東京電力福島第一原発事故による汚染水流出問題を受けて、宮城や岩手、福島、茨城など8県の水産物に対する輸入の禁止が始まったのです。ほやは、生産過剰となり、大量のホヤを廃棄せざるを得ない状況になってしまいました。

世界貿易機関(WTO)が今年も禁輸措置を容認し続ける中、この状況に歯止めをかけようと立ち上がった人がいると教えられて、お店を訪ねました。
その方は宮城県塩釜市の佐藤文行さん。お店の名前は「ほやほや屋」です。「鶏から喰ってる場合じゃねぇぞ!!大量廃棄にあえぐホヤ、59歳の捨てさせない挑戦」(yahoo! JAPANニュース 7月5日 )

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この日はちょうど、東北エリアオフ会で羽生結弦選手の心願成就のご祈祷とお茶会の日。みなさんに試食していただこうと思い、ほやの唐揚げをテイクアウトで注文することにしました。

中に入るときは、スリッパに履き替えます。普通のお宅のリビングダイニングに通されたような感じです。厨房には、中華料理のプロ、山ちゃんこと山内博行さんと、間もなく開店する仙台・花京院店の店長、阿部栄一さん(後方)がいらっしゃいました。

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ほやが揚がるのを待つ間、椅子と冷たいお水、それと、ほやのチャンジャを勧められました。

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初めていただきましたが、ほやの食感とタレの味がよく合っておいしく、作って常備したいと思う味でした。

唐揚げにつかうほやは一度冷凍して水分を調整し、下味などは一切付けず、片栗粉のみで調理するそうです。一番おいしい「梅雨ボヤ」の時期に仕入れたものが肉厚で美味しいとのこと。
ほやが揚がりました!さっそく出来立てをいただきます。熱々で、口いっぱいに広がったほや独特の香りがしばらく続きます。
ほやほや屋に通って、山ちゃんが腕をふるうほや料理をいろいろ味わいつつ、ほや料理のレパートリーを増やしたいと強く思いました。

ほやの唐揚げをパックに詰めてもらって、次は、仙台駅へ。
お目当ては、ほやほや屋が「梅雨ボヤ」を提供している駅ビル1階のそば店、「萩」の「ほや天そば」です。

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仙台はこの日、かなりの暑さでしたので、冷たいおそばにしました。初めての方にも抵抗なく味わっていただこうと、ほやを小さく刻んだものに長ネギを合わせてかき揚げ風にした天ぷらが2つのっています。天ぷらを噛みしめると、ほやの香りがネギと一緒にほんのりと口中に立ちのぼり、これなら初めての方にも食べやすいと思いました。

オフ会の場所で開場を待つ間、メンバーさんに声をかけて、ほやの唐揚げを試食していただきました。「今、話題になっていますよね」と知っている方も多く、喜んでいただけました。「おいしい」「食べやすい」と好評でした。

「三陸宮城の宝物ほや」!2011年3月11日の震災、原発事故の影響で残念ながら未だ輸出の数字が戻らず、「ほや」は廃棄され続けています。食べて救うしか道がありません。
ほやの消費量を増やす手段は食べ方の提案、定着しかない!と考え、ほやほや屋は2017年に立ち上がりました。
お昼は「ほや塩チャーハン」「ほや塩焼きそば」「ほや塩ラーメン(9~4月)「ほやし中華(5~8月)のオリジナルメニュー、充実のサイドメニューには「ほやチーズ春巻き」「ほや唐揚げ」がラインナップ。
また山ちゃんの味の代名詞「五目あんかけ焼きそば」「牛 大根カレー(金曜のみ)」も。
夜は完全予約制で1日1組限定(2名様以上10名様まで)、全7品。
名物「ほやしゃぶ」(ほやのしゃぶしゃぶ)をメインに、前後を「ほやづくし」で固めています。
(「お店カード」より)

ほやほや屋でほや料理に腕をふるっていらっしゃる山内さんに、山内さんが店主だった知る人ぞ知る中華の名店、仙台屋食堂の話をうかがいました。場所は塩釜埠頭の1万トン岸壁のところといいますから、近くに民家はわずかです。港湾作業員の方や船舶で着いた方がお客さんでしたかと尋ねると、
「違う、違う。俺のファンは全国にいるから」
「俺は流れもんだから。でも、塩釜には30年いたな」
「もう、あすこではできないと思ってんの。昨日も店に行ったけどね。夕日がきれいだったの」。

去年あたりから、周りでもほやのいろいろな食べ方が広がってきているように感じています。我が家でも炊き込みご飯を作ってみましたが、特別むずかしい下処理もなく、香り付けに醤油を加えたぐらいで、むいて切ったほやを洗った米と水とを一緒に炊飯器に入れるだけ。
ほやの唐揚げをはじめ、いろいろな食べ方が全国に広がることで国内での消費量が増えれば、食文化の発展につながり、同時に廃棄するほやも減るのですね。

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塩釜埠頭より~山ちゃん撮影の塩釜湾と夕日

仙台を訪れた機会に、ほやの唐揚げをはじめ、様々なほや料理と出会って味わうことができたら、きっと楽しいと思います。仙石線本塩釜駅から歩いてすぐの「ほやほや屋」にもぜひぜひ足を運んでくださいね。「三陸ほやを消費で救う!」オンラインショップもあります。

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