11日~全国植樹祭~かしまの一本松
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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6月10日、福島県南相馬市を会場に第69回全国植樹祭が行われました。
全国植樹祭は、国土緑化運動の中心的行事として、毎年春に国土緑化推進機構と開催地都道府県との共催により開催され、天皇皇后両陛下によるお手植えや参加者による記念植樹が行われています。
今年の全国植樹祭は、国土緑化や津波被害、原子力災害から復興する姿や支援に対する感謝の気持ちを発信することを目的に福島県が誘致、準備を進めてきました。
開催地は、津波被害があり、海岸防災林の復旧再生が望まれる南相馬市です。式典は雫地区の海岸防災林整備地で行われ、震災犠牲者に黙とうがささげられた後、天皇陛下はクロマツなど、皇后さまはアカマツなど計6種類の苗木をくわを使って丁寧に植えられたそうです。「両陛下、最後の植樹祭=南相馬市の被災地でー帰還困難区域を通過・福島」(JIJICOM 6月10日)
雫地区と同じく南相馬市の沿岸にある鹿島区も、東日本大震災の津波と福島第一原子力発電所の事故により、甚大な被害を受けたところです。
その中でただ1本残った松の木がありました。木は同市鹿島区南右田(みなみみぎた)地区の約5キロの海岸線に2万本ほどあった防風林のうちの1本。高さ約25メートル、根回りは2メートルほどです。震災による津波に耐えたことで、被災地の希望の象徴とされる岩手県陸前高田市の高田松原の松と同じく「奇跡の一本松」、地元では「かしまの一本松」と呼ばれ、残された人々の希望となりました。(「あの日から5年2ヶ月…福島県南相馬にも津波に耐えた一本松がある」より 産経ニュース2016年5月12日)
写真は「福島県南相馬市HP 震災の記録」より
幹に残された傷跡が津波の激しさを物語っています。
2013年には市民らにより守る会が結成され、樹木医の指導を受けながら保存活動が進められてきました。しかし、14年には木が弱り始めたため、200個の松の実が森林総合研究所林木育種センター(茨城県日立市)に託され、一本松の「子孫」を残す取り組みが始まりました。
発芽は難しいかもしれないと思われましたが、半年後に3つだけが発芽。
この松の苗は、一本松の近くに植えたい、と大切に育てられているそうです。
「かしまの一本松」は保存活動もむなしく、高潮の影響による衰弱が止まらず、2017年12月27日、伐採されました。
しかしその子孫は生き続けて、再生のシンボルとしてこれからも地域の人々の心の支えとして育っていくに違いありません。
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