11日~新酒に込められた「結」~[1/14更新]
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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新しい年を迎え、みなさまいかがお過ごしになられたでしょうか。
お正月のお料理に合わせて新酒を味わう、そんな過ごし方をされた方もいらっしゃったかと思います。新酒とは、新米の収穫が始まる10月から3月にかけて仕込まれ、6月ぐらいまでに出荷されるお酒です。今、売られている新酒は「28酒造年度新酒」です。
このお酒をつくった佐々木酒造は、名取市の閖上(ゆりあげ)地区に蔵と店舗、自宅がありましたが、高さ5メートルの津波が押し寄せ、全壊してしまいました。写真の中央に佐々木酒造「地酒 浪の音」の看板が見えています。
「名取市東日本大震災 一年間の写真記録(新版)」(閖上1丁目 23年3月12日)
今は、若い兄弟二人が中心となり、名取市復興工業団地(名取市下余田)の仮設蔵という環境で、様々な工夫をこらしながら酒造りを続けていらっしゃいます。仮設蔵での醸造再開までには、兵庫県や鹿児島県からの支援があったそうです。
阪神大震災の折に倒壊した酒蔵から回収し、緊急用に大切に保管してあった酒造機器をくださった灘の櫻正宗株式会社さん。
酒造りに使う装置を荷台に乗せピカピカにしたトラックを提供してくださった「魔王」醸造元の白玉醸造(名)さん。
機器を送料の負担までして送ってくださった「さつま小鶴」醸造元の小正醸造(株)さん、「森伊蔵」醸造元の(有)森伊蔵酒造さん。
詳しくは萩野酒造さんの「蔵元ブログ」で知ることができます。萩野酒造といえば、羽生選手が出演した映画「殿、利息でござる!」にちなんで「殿の寒月」「殿の霜夜」を醸造・販売した蔵元ですね。
東日本大震災から4年 被災蔵元が酒造りを再開できた理由とは?
東日本大震災から4年。その裏側で…
ゆりあげ港(みなと)朝市の初市で牡蠣を買い、その足で「閖上さいかい市場」(有)佐々木酒造店の仮設店舗へと向かいました。
冒頭の写真「純米酒 閖」は震災後につくられました。故郷の復興、蔵の再起を「閖上」の一字「閖」に誓い、仕込んだ銘柄とのことです。
宮城県酒造組合には25社、26清酒製造場があります。震災では大なり小なり宮城県内の全ての蔵に被害がありました。
「聞くと、うち(佐々木酒造)の被害が一番ひどかったみたい。それがこうやって再開しているんだから、みなさんもどうにかして再建してきたってことなんですよねえ」。震災当時からのアルバムをめくりながら、お店の方が話してくださいました。震災直後は、三分の一ほどの蔵元が廃業を口にするほど深刻な状況だったにもかかわらず、震災がもとで廃業した酒蔵は一つもなく、今日に至っているそうです。その話に驚くとともに、「いったい、どれほどたくさんの人々の結びつきが、それぞれの蔵の再建を後押ししてくださったことだろう」と思いを巡らせました。
これから自分がやっていきたいこととして、「結ぶ!」と書いた羽生結弦選手。復興加速に向けた意欲と願いを込めて、新年の漢字として「結」を選んだ村井宮城県知事。
いただいた数々の「結」を胸に羽生選手の応援を自分たちもしていきたい、と強く思いました。
1月14日 以下を追記いたしました。
この記事を読んでくださった佐々木酒造の佐々木洋様より心温まる、嬉しいメールを頂戴いたしました。掲載のお許しをいただきましたので、ご紹介いたします。
「この度はお酒をお買い上げ頂き、またステキな記事にして頂きありがとうございます。(Gold Wingのページを拝読させて頂きました。)震災後、環境に負けず不撓不屈の精神で練習を積み重ね、大会を勝ち上がる羽生選手の姿には随分と励まされました。
東日本大震災の後も日本全国で沢山の災害が起き、被災された方々が今なお仮設暮らしを送っていますが、羽生選手のように被災地に心を寄せて下さる方々がいらっしゃいます。その想いに応えるべく、今後とも再起を志す様子を多くのファンの方々から発信して頂ければと思います。そしてまた、これをご縁に佐々木酒造店のお酒を今後とも宜しくお願い致します。」
佐々木酒造さんのオンラインショップは、仮設蔵での製造量はまだ多くはなく、さいかい市場の仮設店舗や特約店での取り扱いが中心とのことです。
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