11日~石巻へ~「まちなか周遊号」
Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。
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JR仙石線、石巻線の全線開通及びJR仙石東北ラインの開業に伴い、アクセスが格段に向上した宮城県石巻市。その石巻市で、復興乗合ジャンボタクシー「いしのまき復興体感!まちなか周遊号」が運行を始めました。JR石巻駅を基点に、石ノ森萬画館、日和山公園、石巻復興まちづくり情報交流館 中央館の4つの停留所を周遊する、土日祝日限定の試験運行です。「被災の跡 タクシーでぐるり」(2015年11月29日河北新報)
宮城県の広報には「3月で震災後5年という節目を迎えるにあたり、皆様に気軽に便利に石巻の街中を周遊していただき、石巻復興の「今」をぜひご体感ください!!」とあります。「便利に気軽に周遊」という言葉に背中を押され、行ってみることにしました。
全線が開通した仙石線のハイブリッド車輌に乗って、石巻駅に到着しました。駅構内にある石巻市観光物産情報センター(ロマン海遊21)前がジャンボタクシーの発着場です。
石巻は宮城県出身の漫画家、石ノ森章太郎さんゆかりの場所ということで、マンガのキャラクターを生かした街づくりをしています。市内のあちらこちらに「サイボーグ009」や「仮面ライダー」の像が置かれていたり、絵が飾られていたりして、街行く人を楽しませてくれます。この建物でもさっそくキャラクターが出迎えてくれています。中には水産加工品・地酒など石巻を代表するお土産が数多く並び、 スタッフの方が観光スポットの案内やお土産の発送などの相談に応じていました。
ジャンボタクシーの車内に流れる録音の案内を聞きながら出発です。初めに向かったのは、「石巻」の由来となった「巻石」が近い大島神社です。昔、周りの水が渦を巻いていたことから「巻石」と言われるようになったと伝えられる石を見ることができます。地震による地盤沈下のため、今は水位が低い時にやっと上部が見えるだけになってしまったそうです。
最初の停留所は、旧北上川の中洲、中瀬地区にあるマンガの街の中心「石ノ森萬画館」です。石ノ森章太郎先生はこの地区をニューヨークのマンハッタンに似た形をしていることから「マンガッタン」と呼んだのだとか。マンガが描かれた仙石線の車両は「マンガッタン・ライナー」と呼ばれています。
北上川を東岸へ渡って湊小学校前を通過し、昨年9月から本格的に稼働を再開した石巻魚市場のある地域を走ります。周囲にはまだ更地が多く、建物の土台や曲がったままのフェンスなどがあちこちに残されていました。道路の中央では防潮堤の工事が行われていました。河口に最も近い日和山大橋を渡って、北上川の西岸に戻り、石巻市門脇地区を通ります。廃校になった門脇小学校は今もフェンスに覆われていました。
日和山公園でジャンボタクシーを降り、15分の休憩となります。いくつかのグループが、語り部ボランティアの方の話に熱心に耳を傾けていました。旧北上川上流には、「マンガッタン」や石ノ森萬画館が見えます。
最後の停車地は「石巻復興まちづくり情報交流館」です。「街の将来像」「復興事業の進行状況」「地域の取組に関する情報」などをパネルや映像で見ることができます。市民同士または来訪者との交流や懇談の場として交流スペースもあります。
ここには以前、仮設商店街「石巻まちなか復興マルシェ」がありました。代わって今は、中心市街地の活性化、にぎわい創出、新たな観光スポットとして、また街の担い手の育成の場として「橋通りCOMMON」が隣にオープンしています。ご当地B級グルメの石巻焼きそば、焼き鳥やライスバーガー、タコライス、肉まんなどが味わえるということです。着物をリメイクしたワンピースやアクセサリーなどが並ぶ雑貨屋さんもあるそうです。
ここから石巻駅までは「歩くだけなら10分ぐらい。お店に立ち寄ったりアニメの像を眺めたり、のんびり歩けば30分ぐらい」とのこと。このまま乗車すれば、石巻駅で約55分の周遊が終わります。
石巻には古くから金華山参りの宿場町、港町として栄えた歴史があります。金華山へは鮎川港または女川港まで移動し、そこから船で渡ります。石巻市には、気軽に行ける離島もあります。網地(あじ)島の網地白浜は、東北でも屈指の透明度を誇る海水浴場で、2013年に再開しました。名前の通りの白い砂浜で、海の色はエメラルドグリーン。ドワメキ崎(ドウミキ崎)からは牡鹿半島や金華山を望めます。田代島(別名マンガアイランド)は猫の島として有名です。海水浴と猫ツアーの両方を楽しむ「日帰りよくばりツアー」も可能です。羽生選手の殿様姿を見ながら、伊達政宗公が建造したサン・ファン・バウティスタ復元船に乗れる慶長使節船ミュージアム(愛称サン・ファン館)が近かったことも思い出しました。
石巻の観光情報については石巻観光協会のホームページをご覧ください。
タクシーで被災地域を回る方法としては、「語り部タクシー」があります。2014年の羽生結弦選手の仙台凱旋パレード後には、仙台市発の語り部タクシーに乗車し、被災地域を訪問しています。語り部や語り部タクシー、被災地訪問の様子などはこちらをご覧ください。
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