MUSUBU Library(ライブラリー) vol.6
『MUSUBU Library(ライブラリー)』は、東日本大震災関連の書籍を紹介するコーナーです。
今回は大人のためのファンタジーを2冊、ご紹介します。
★双頭の船(新潮社)
著:池澤夏樹
”失恋目前のトモヒロが乗り込んだ瀬戸内の小さなフェリーは、傷ついたすべての者を乗せて拡大する不思議な「方舟」だった。双頭の船は北へと向かい、さまざまな乗客を大きな腕で抱きかかえるようにして停泊する。やがて500戸の仮設住宅の建設が始まって、新しい町と新しい家族が誕生し……。”
本の帯に「鎮魂と再生への祈りをこめた痛快な長編小説」とあるように、一見軽妙なおとぎ話風であまり構えずに読めると思いますが、心に染みます。
第1章はなんとも突飛なお話で、これってどんな小説?と全く先の読めない出だしですが・・・。
著者の池澤さんが”まったく深刻な話ではない。おふざけもいいところ。でもそうじゃないと書けなかった。”と。
根底にはずっと哀しみがあるけれど、どこか温かで優しい、そんなお話。
作中に桜ラインの話も登場します。
★想像ラジオ(河出書房新社)
著:いとうせいこう
設定がかなり奇抜なので、こちらは好き嫌いが分かれるかも。
残酷に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
軽いのに重い、哀しいような腹立だしいような後ろめたいような、なんとも言いがたい本。
ただ、つまんない好きじゃないって思った方もできたら最後まで読んでほしいと思います。
たくさんの言葉が心に刺さります。
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忘れないは「思いやること」かもしれません。復興支援は決して大げさなものではなく、無理をすることもなく、 自分にできる範囲で継続していくことだと思っています。