11日~悲しみや悔しさが繰り返されないように~
台風18号から変わった低気圧の影響で、各地で記録的な雨が降り大きな被害がでております。
安心できない状況が続きますが、これ以上被害が拡大せず、一日も早く平穏な生活にもどれますよう心よりお祈り申し上げます。
こんなときに無神経だとお叱りを受けるかもしれませんが、こんなときだからこそお読みいただければと思います。
日本は自然の豊かな国です。ずっと昔から自然が引き起こす災害とつきあってきましたが、以前にくらべ、自然災害が増加したように思えるのは気のせいでしょうか。
異常気象なのか、ダブル、トリプルで台風が発生したり、竜巻注意報のテロップもたびたび目にしたりするようになりました。
噴火に関するニュースも続きますが、5月29日に新岳が噴火した口之永良部島では、住民のみなさんがいまだに全島避難されています。
台風や集中豪雨、噴火と、地震に限らず、自然災害はいつどこで起きてもおかしくありません。いつ被災しても不思議ではない状況なのかもしれません。
東日本大震災では全国で47万人もの人が避難所生活を余儀なくされました。
避難所、過酷な環境(朝日新聞デジタル)
忘れられがちですが、いまでも多くの方が避難生活を続けています。
全国の避難者等の数は8月13日現在で、約19万9千人。復興庁(全国の避難者等の数)
羽生選手が6月に訪れた福島県では県外への避難者が44,854人という状況です。
(27年8月13日現在、福島県HP)
日本学術会議の昨年の9月30日の提言には以下のように述べられています。
「東日本大震災からおよそ3年半が経つ。東京電力福島第一原子力発電所事故による被災者の多くは、ふるさとを追われ、避難過程で家族や地域コミュニティがバラバラになり、県外にも今なお約 45,000 人の被災者が避難し、基本的な行政サービスを受けることすら困難なほど広範囲に離散している。被災者の多くは、見通しの立たない避難生活の中で生活再建を展望できず、どこで生活の基盤を成り立たせれば良いのか判断がつけられずにいる。」
(東京電力福島第一原子力発電所事故による長期避難者の暮らしと住まいの再建に関する提言)
避難指示が徐々に解除されてはいるものの、現状はあまり変わっていないのではないでしょうか。自然災害ばかりとは言えない福島の原発事故ですが、今回の事故では原発の是非も含め、平常時の対策がいかに重要か思い知らされました。それはふだんの私たちの生活にもあてはまることかもしれません。
~秋桜(2008.8 福島)~
東日本大震災の時に、小学校の体育館で避難所生活をしながら避難所運営を経験された佐藤一男さん。避難所運営の改善点と支援をいただいた際に気になった点をこちらにまとめていらっしゃいます。被災した立場、支援する立場、双方にとってあらためて気付かされることがたくさんあります。ぜひご一読ください。
SYNODOS 東日本大震災、体育館避難所で起きたこと/佐藤一男 ( 防災士)
避難所運営の難しさだけでなく、今回の経験を今後に活かすための覚悟が伝わってきます。
家族を守るために、また自分の経験を伝えるためには、しっかりとした裏付けとなる知識が必要との思いから、防災士の資格を取得した佐藤さんは、最後に減災について書かれています。防災よりも減災、まずは命を守ること。
誰かがではなく、誰もがしっかりとした意識を持って、取り組むべきことではないでしょうか。
そしてこちらは「避難所で起きたこと」に続いて書かれたものです。
SYNODOS 東日本大震災、仮設住宅に移るまでに起きたこと/佐藤一男 ( 防災士)
「防災は教育です。子どもの頃から積み重ねなければ身に着かない。学ぶのではなく、くせにしていく必要があるんです」(佐藤一男さん)
佐藤さんはこれまで関わってきた桜ライン311の活動を若い世代に引き継ぎ、今後は防災士として陸前高田での経験を伝える活動を広げていかれるそうです。
桜ライン311の記事はこちら
佐藤一男さんのメッセージ
~自分たちが備えずにあの日を迎えた後悔を誰にも繰り返して欲しくない。~
自分だけは大丈夫!そんなふうにどこかで思っていませんか?
身の回り、もう一度見渡してみませんか?
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Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしています。
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